「いつも、勉強になる投稿等をありがとうございます。
最近、よく聞く糖質制限の話題について少し不安になることがあります。
ゲルソン療法では、いも類を焼いたり蒸して食べるのは良いとされていますし、玄米や黒パンも食べますよね…
糖質を制限して、タンパク質をたくさんとるのは体には負担になる気がしています。
けれど、これだけ炭水化物が悪者扱いする意見が多くなると自信がなくなってしまいます。
ゲルソン療法を続けていらっしゃる方の実感としてはどうでしょうか?
ご意見をお聞かせいただけると嬉しいです。
氏家様の体感としては、ゲルソン療法の食事、いも類や、未精白の穀類を食べ、動物性のものをとらない食事をなさっていて、体調は良くなっているという実感がありますでしょうか?
それをお聞かせいただけると、とても参考になります。
よろしくお願い致します。」
ご質問と、心の内面の葛藤をうちあけていただきまして、有難うございました。
糖質制限食についてですが…、本当にとても多いご質問です。
それに、迷いますよね〜、情報がいっぱいすぎて。
私も、食べることのために迷いたくない!って思っています。
鳥など、野生動物が迷いなく自分の食べるべきものに突進していく姿を見ては、「あ〜、うらやましぃ〜。ケーキやチョコレートを見つつ、ぐっと我慢するのは人間だからだものねぇ」、と思ったものです。
「思った」、と過去形で書けるのは、かつては私も悩める一人だったということ。
そして、今では、食べることに迷わなくなり、実感としてもどんどん健康状態が良くなっている、と言えるようになったからです。
では、そのプロセスはどのように始めれば良いのか?
私は、まず最初に、「食事を変えてどうにかしたい」、と考え始めているあなたが、「何のために」食事を変えようとしているのかを、はっきりとさせることが必要だと思っています。
だって、食事の変更の目的は、人それぞれなのですから…。
ただ旅をしたい、って思っていても、楽しい旅は実現しませんよね?
「どこに」いくのか、旅の目的地が必要です。
目的地が決まると、そこにいくための交通手段など、具体的な計画を前に進めることができます。
それと、同じこと。
まずは、目的を明確にしましょう。
(食事の目的が多様化していることを具体的に学びたいかたは、ダイエタリー・ヒーリングの「予備講座」をご参考になさってくださいね。きっと、すっきり、さっぱりと、食事改善のスタートを切ることができると思います。)
いろいろな食事改善法を教えてくれるかたが、世の中にはたくさんいらっしゃいます。
そのなかでも、私が、お仕事で取り扱っている食事の変更に関する情報教育は、目的が「自然治癒」です。
ですから、「自然治癒」には関心がない、という場合は、私以外のかたを探していただければと思います。
一方で、現在、日本や海外で話題になっている糖質制限食の目的の大半は、「減量」です。「自然治癒」とは異なる点が多く、部分的には一致することもある、そんな目的です。
目的の違う食事改善方法を並べて、その優劣を比較するのは、手続き上の間違いですから、最初に戻って、まずはご自身の目的を再確認されると良いと思います。
また、付け加えると、なかには、糖質制限食で病気を治すというようなご指導をされているかた、医師などもいるかもしれません。
それについてなのですが…、現在の私には、理論的に理解ができません。
これは、私の知識が未熟なせいかもしれません。
または、私の理解のほうが正しいのかもしれません。
そのご判断は、私以外のかたにお任せしたいと思います。
今現在のところの私の見解としては、
- 「自然治癒」が目的で、食事の改善を検討されていて
- 糖質を制限し、たんぱく質の摂取量が同時に増える食事改善を行おうとしているなら
- これは、目的に叶っていない
- と、「私は」思っています。
理由には次のようなことがあります。
- 糖質を制限しすぎると、本来のエネルギー源である炭水化物(糖質)が不足するので、体はたんぱく質をエネルギー源の一つとして使うようになります。
- たんぱく質の代謝では、必ず強力で大量の酸が発生します。これは、動物性たんぱく質でも、植物性たんぱく質でも同じです。通常、必要最小限で代謝したたんぱく質は、代謝で発生した酸を、呼吸などで二酸化炭素として体外へ排泄するなどしています。でも、それ以上の多すぎる酸が発生すると、体液は全体的に酸性化の方向へ向かいます。代謝で発生した硫酸などを中和する必要があるので、その分、全身の代謝に負担が増え自然治癒どころではなくなります。
- たんぱく質をエネルギー源のほうへ使ってしまうと、細胞など、身体の構造を作る材料としてのたんぱく質が減るので、細胞のターンオーバーの時期が遅れます。だって、新しい細胞を作ろうにも、材料が間に合わないのですから。その結果、全身が老化し、損傷を受けやすく、また、病気になりやすくなります。
ですから、やはり、何が目的なのか?
で、選択肢は変わると思います。
私自身、そして、ダイエタリー・ヒーリング講座に通って来られて、実践を始められたかたは、この食事による「自然治癒」の効果を実感し始めているか、すでに、それに満足されています。
私の場合は、現在のところ、命に関わるような病気の脅威を感じていませんから、治療食である「ゲルソン療法」を実行しているわけではありません。
ゲルソン療法が採用している自然治癒メカニズムを同じように活用した健康食「ダイエタリー・ヒーリング」のほうを活用しています。
私の場合は、現在のところ、命に関わるような病気の脅威を感じていませんから、治療食である「ゲルソン療法」を実行しているわけではありません。
ゲルソン療法が採用している自然治癒メカニズムを同じように活用した健康食「ダイエタリー・ヒーリング」のほうを活用しています。
たんぱく質と酸性化の関係について、詳しくは、10月28日(金)の「基礎講座3」でお話いたします。
↓ ご一緒に学びたいかたは、以下からお申し込みください。
お待ちしております!
写真は、ゲルソン・インスティテュートのイベント・コーディネーター、マリアと。
2016年7月、サンディエゴのゲルソン・インスティテュートにて。