2012年1月21日土曜日

『甘い物は脳に悪い』

フェイスブックでのこと。
小・中・高校と同じ学校だった友人が、ブドウ糖が強化されたチョコレートを買い占めたと、写真を投稿していたので、「あっ、そういえば、買ったけれど、まだ読んでない」と思い出したのがこの本。
『甘い物は脳に悪い』、でした。



新書で200ページ無い手軽さなので、さきほど一気に読んでしまいましたが、じつは、最初の方は‘役に立つ情報は並んでいるけれども、なんだか面白いという気持ちが出てこないなぁ’、なんて思いながら読んでいたのです。著者の笠井奈津子さん、ごめんなさい。

でも、3分の1を過ぎたあたりから最後までは、私にとっては、とても面白かったです。
著者にお会いしてみたくなりました。

アマゾンのカスタマーレビューには、本書に対する辛口批評がかなり多かったのですが、個人的に印象に残ったのが以下の箇所。

・著者が実際にお会いした経営者たちの食事へのこだわりについて描かれた箇所(50ページ~)、
・「たとえば、たくさんの本を読んでも情報を吸収するのみで、そこに流れている考え方を深く自分の中に吸収しようとしない人がいます。」(191ページ)
・「食事についても、それを食べたという情報に価値はありません。」(192ページ)
・「仕事においてリスク管理が大切なように、自身の身体のリスク管理も重要なのです。食に対する日々の意識と実践は、積立貯金のように大きな資本となってくれます。仕事ですぐに成果を出せる人が食をプライオリティの上位に挙げるのは、『立場的に時間やゆとりがあるから』ではありません。食の価値を評価しているからです。」(196ページ)

レビューの批判にあったように、確かに似たような本はこれまでにたくさん出版されているのですが、少ないページ数のなかにとても多くの知識を経験とともに詰め込んであり、尚かつ、整理されているなぁと感心してしまいました。

そして、問題のブドウ糖ですが…。

‘考えるエネルギー’、‘集中力の必要なときに’、といったキャッチフレーズにピンときて、友人はそのチョコレートを選んだのだそうです。
つまり、美味しいから、とか、味で選んだわけではなく。
選んだ理由は、その‘機能性’でした。

ところが、『甘い物は脳に悪い』では、こんな一文がありました。
「急激に血糖値が上がる菓子パンのような食べ物を朝一番に食べれば、それだけで膵臓に負担がかかり、一日の体調に自らブレーキをかけることになりかねません。―その積み重ねがやがて糖尿病や高脂血症につながっていくわけです。」(71ページ)

長期的にみると、吸収の早いブドウ糖を大量に常習していると、上記のようなことに至ってゆきます。
また、短期的にみても、吸収直後はエネルギーが爆発的に上昇するので、集中力も増しますが、期待するほど長続きはせず、インシュリンによって血糖値は下げられてしまうので、また甘い物が欲しくなる、という連鎖が止まらなくなります。

ですから、エネルギー源には、もっと吸収に時間がかかる複合炭水化物を!

ずいぶん前に読んだのですが、
『クレイジー・メーカー 脳を壊す食品をなぜつくるのか』

この本も、面白かったですよ。