麻布十番近くにある、いつもの宿を予約しておいて大正解でした。
月曜の夜には、市ヶ谷の私学会館で、医学ジャーナリスト協会の新年会があったのです。今年のゲストスピーカーは、鳥越俊太郎さん。‘ニュースの職人’として、鳥越さんが昨年出版された、自らの闘病レポート『がん患者 』を読んでいたので、直接ご本人からお話をお聞きできる良い機会だと思い、夫と出かけることにしていました。
この日の記念に、持参したご著作『がん患者 』にサインをいただきました。
「テレビで鳥越さんを見るのが励みなのです。
鳥越さんも私と同じ大腸がんでしたから。
でも、最近はレギュラー出演される番組が無くなりましたよね、お元気なのかしら」、と少し心配そうに、寂しそうに仰っていました。現在の鳥越さんはというと、レギュラー番組が無くなった以後もお仕事は増え続けているとか。がんになる前よりも、仕事量はむしろ増えている、とお話しされていました。元気でご活躍されている様子でしたよ。
新年会がお開きになり、麻布十番の駅を出ると、そこは雪国!翌朝になって、部屋の窓から外を見てみると、やっぱり一面銀世界でした。家もビルも、道路も、見えるものはすべて真っ白になっていました。
宿には小さな日本庭園があり、その雪景色がまた良かった…。ところが、雪景色に浮かれていた私たちに悲しい知らせが待っていました。この朝、とてもお世話になったある方の訃報に触れることになったのです。宿のすぐ近くにお住いだったので、ここに泊まった翌朝には、いつもご挨拶に伺うことにしていました。今年は年始からお目にかかれると、南房総のお花を持参したのですが、それは御遺影の前に飾られることになりました。77歳でした。ひょっとして、天から雪を降らせ、私たちが御遺影に会いに行くように仕向けたのは、その方だったのかもしれない…。いたずらっ子のような無邪気な笑顔が思い出されるばかりです。
それから私たちは上野公園へ。
特別展「北京故宮博物院200選」が本日の目的。
中国国外に初めて出されたという『清明上河図』の展示が注目されている特別展で、すでに見に行った友人から、「この絵巻物だけは2時間待ちだったので諦めた」、と聞いていました。