主催は、「内閣府の食品安全委員会」。
それって、誰? と思ったら、以下の組織図で確認してみましょう!
http://www.cao.go.jp/about/doc/soshikizu.pdf
いろいろな審議会があるものですね。
今回の説明会の案内が来たときに、「どうして内閣府の委員会が、突然、健康食品について説明するのかなぁ? 何が説明されるのだろう?」と思ったのです。
きっと、最近は健康食品が多すぎるから、ちょっと注意喚起しておこう、ということなのかな、と思いました。
それで、時間があったら説明会を覗いてみようかな、と思って出席の連絡をしていたのですが、所用で行けずじまい。
新聞にレポート記事があったので、内容がわかりました。
食品安全委員会は、昨年12月に、「19項目からなる『健康食品』に関するメッセージ」というのを公表したのだそうです。
それが、こちらです。
https://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html
このメッセージをもとに、健康食品について説明会を開いた、というのが今回の出来事でした。
メッセージの概要は、「ヘルスライフビジネス」紙が以下のようにまとめていました。
- 不老長寿の食品(薬も)はない
- 食べて痩せる食品は、有害物
- 天然・自然なものも、安全ではない
- 現在の日本のような食事ができている国では、ビタミン・ミネラルのサプリメント補給は健康にプラスの作用をもたらさない
そうだよね、そうだよね…。
ただ、私としては、4だけ、心にひっかかるところがありました。
たしかに、委員会のかたがたが、科学的根拠に基づいて出した結論、「現在の日本人が通常の食事をしていて、ビタミン・ミネラルの欠乏症が問題となることはまれ」というのは、あきらかな間違いとは言えない。
もちろん、食材中の栄養成分が50年前、100年前に比べると非常に少なくなってしまっているのは事実。
それから、実際には、「日本人」といっても、さまざまですし、「通常の食事」というのもまたさまざまなので、委員会のこのメッセージは非常におおざっぱな括り方ですが、内閣府で個人の生活が持つ多様なバリエーションを把握するのは無理ですから、おおざっぱさはポジション上の限界です。
より細かなことは、国民一人一人が自身の生活現場で研究して実践しなければなりません。
とはいえ、私が心にひっかかったのは、私たちが生きている今の時代は、食事以外の要因でビタミン・ミネラルの欠乏症が起こりやすい、からです。
わかりやすく言えば、私たちは、
- たとえ、食事で十分な栄養が満たされていても、
- 「食事で満たされた栄養をつぎつぎと貪ってゆく要因」に囲まれて生活している
のです。
ですから、
- ビタミン・ミネラルの欠乏症が問題になることはまれではなく、
- ビタミン・ミネラルの欠乏症はよくあること
だと思っています。
積み上げる栄養が少ないということではなく、栄養の積み木を積み上げるスピードより、足元から積み木を奪われてゆくスピードのほうがどんどん早くなっている、そんなイメージです。
積み上げる栄養が少ないということではなく、栄養の積み木を積み上げるスピードより、足元から積み木を奪われてゆくスピードのほうがどんどん早くなっている、そんなイメージです。
ここが、「食品安全委員会」と私のスタンスの違いだなぁと思いました。
「食事で満たされた栄養をつぎつぎと貪ってゆく要因」というのは何かと言えば、もとから、または、代謝の過程で毒性を持つもの。
たとえば、食べ物由来のものだけでも、じつは、次のようなものがあります。
- 食中毒微生物
- 食物アレルギー原因物質
- 残留農薬
- 食品添加物
- 遺伝子組み換え作物
- 加工食品
食べ物由来でなければ、次のようなものがあります。
- 汚染された水
- 大気汚染
- 殺虫剤、農薬
- 化粧品
- 医薬品
- 塗料
- 接着剤
- 洗剤
- 電磁場
こうしたものを人体内で無害化して排泄するために(つまり、解毒するために)、私たちは食事で得た栄養をつぎつぎと使っているのです。
だから、今の時代は、栄養がいくらあっても足りないくらい、解毒しなければならないものに囲まれて生活しているのですよね。
タイミングよく、2月14日(日)13:00−17:20に、NPO「食の安全と安心を科学する会」が、フォーラムを開催します。
テーマは、「食のリスクの真実を議論する 〜消費者と専門家のリスク認識のギャップについて〜」。
2月11日までの事前登録で、どなたでも無料で参加できます。
場所は、東京大学農学部フードサイエンス棟 中島薫一郎記念ホール。
詳細は、以下をご覧ください。
終了後に懇親会もあるようです(2000円)ので、添加物や残留農薬の専門家と直接お話をするチャンスかもしれませんね。
人を直接知る、ってとっても大事な取材です。
ときには、ネット情報を飛び出して、リアル取材を!