2012年9月3日月曜日

ロサンゼルス2日目

キャンサー・コントロール・ソサイエティーの第40回目のがんコンベンション。
今現在は、2日目の夕方に差しかかっているのですが、初日の模様を少しだけリポートします。

 講演開始のトップバッターは、キャロリン・グロス。
テレビ番組の司会者かと思うような上手いスピーチの女性。じつは、乳がん患者さんだったかた。
現在は、がん克服の経験から、患者さんのための教育や情報提供をしており、自分が司会をするラジオ番組まで持っているとか!
こんなふうに、がんを経験したことによって新しい人生が始まった人たちに直接会え、話ができるのが、このコンベンションの醍醐味でもあります。
 マーレイ・サッサー医学博士。77歳。
説得力のある経験豊富なスピーチをする人たちが、70歳を超え始めたんだなぁって思いました。今のうちに、まだまだ聞いておきたい話がいっぱいあります。
彼は、がん治療や予防、それ以外の病気治療のなかで行う静脈投与のキレーション(カルシウムEDTA)の有効性について話していました。
私はまだ経験したことがありませんが、キレーションは重金属の解毒に効果的といわれています。キレートした重金属の排泄には、ある程度よく機能している腎臓が必要なので、腎機能のチェックが事前に必要ですが、鉛や水銀といった重金属の毒性を減らすことによって、その後に行うさまざまな治療の効果が上がることがわかっています。ナトリウムEDTAよりも、カルシウムEDTAの方が、身体への負担が少ないようです。

アール・ミンデル、72歳。
(どうしても、年が気になってしまって・・・)
アール・ミンデルは全米ではもちろん、日本でも名の知られた薬剤師で、『完全版 ビタミン・バイブル』などが有名な著書にあります。数年前に亡くなられたこの本の訳者、丸元淑夫さんは、アメリカで知られる食事療法や栄養療法を日本に最初に紹介し始めた人たちの一人。今では日本の厚生労働省でも盛んに摂取をすすめるようになったオメガ3脂肪酸の大切さを最初に日本で啓蒙した一人でもあります。私は、丸元さんには一度も直接お目にかかれませんでしたが、同じ時代に活躍したジャーナリスト今村光一先生の口からは、よく丸元さんの名前が出ていました。

こちらは、末期がんの患者を独特な食事療法で救ったことで有名なマックス・ゲルソン医学博士の孫、ハワード・ストラウス。
本当は、この時間のスピーカーは、シャルロッテ・ゲルソン(マックス・ゲルソンの娘、90歳)だったのです。

ところが、シャルロッテさんは数日前に風邪をひいてしまい体調が不安定なため、本日欠席とのこと。残念ながらお目にかかれず、でした。というわけで、代打がハワード。

今年40回を迎えるこのコンベンション。過去39年間、一度も欠かさず毎年講演をしてきた唯一のスピーカーがシャルロッテだったと、ソサイエティー会長のフランンク・コジノーが話していましたが、90歳ですからね。早く回復しますように!と祈るばかりです。彼女の様子は、週明けにサンディエゴへ行って、ゲルソン・インスティテュートのスタッフたちに聞いてきたいと思います。



3日間続くコンベンションの間、会場になっているシェラトン・ユニバーサル・ホテルの裏庭では、ナチュラルフード(自然食)メニューのランチが提供されます。
このランチと一緒に注文できるのが、アルツーラというブランドのオーガニックコーヒー。

ミグダリス・アーナン医学博士の著書を購入し、サインをもらった夫殿。彼女は元病理学者で、がんの生物学的な特徴について講演をしていました。著書には、顕微鏡写真なども入っていたので、これは夫殿の専門分野です。
フランク・シャレンベルガー医学博士。
オゾン療法、酸素を利用した治療法に関する興味深い講演でした。それで、ちょっと質問をしたいことがあり、講演後の彼を追いかけると、たくさんの人だかり。ほかの人たちにとっても興味津津のお話だったようです。

著作は無いそうですが、詳細情報を得るウェブサイトを紹介してもらいました。
ご関心のある方は、アメリカン・アカデミー・オブ・オゾンセラピーのサイトをご覧ください。

ジェームズ・プリビテラ医学博士、71歳。
私が最初に出版した翻訳書『沈黙の血栓―患者にも医師にも役立つ知識 』の著者です。
アメリカでは各州の条例などで、がんの治療に栄養療法を用いることに大変大きな規制や制限があり、これを侵せば医師は罰せられます。プリビテラ医師は、こうした政治的圧力のために逮捕された経験があることで知られる医師の一人ですが、そのたびに、彼を信奉する患者さんたちの署名や励ましの手紙などで救われているという、そういう人物です。
プリビテラ医師の講演資料のひとつ、「血液凝固の要因になるもの」。つまり、血液の流れを悪くさせる理由のリスト。
・砂糖
・カフェイン
・アルコール
・脂肪
・水銀
・陽イオン
・感染
・がん
・高エストロゲン
・喫煙
・ストレス
・電磁波

そして、実際に顕微鏡をのぞいた時に見える「沈黙の血栓」の写真が、コレ。血液観察会でご覧になったことがあるかたもいますよね!
顕微鏡による血液の分析は、別のクリニックでも患者さんの全体像を把握するツールとしてずいぶん利用されています。
たとえば、長年のお付き合いがあるメキシコ、ティファナの統合医療病院、インターナショナル・バイオ・ケアのハビエル・ヴァスケス医学博士が講演で使っていた資料はこちら。

正常な血液の顕微鏡写真。
こちらが、がん患者さんの血液を写した顕微鏡写真。

私たちもこの病院で顕微鏡の使い方を教えていただいたことがあります。
ほかに、オアシス・オブ・ホープ病院のフランシスコ・コントレラス医学博士の講演もいつもどおりにありました。オアシス病院はメキシコのティファナでの歴史が50年ありますが、3年前に、アメリカ国内のアーバインにも関連病院ができ、順調に稼働しているようです。
一般的な医療体系のなかの腫瘍学、に対して、彼の医療は統合的な腫瘍学だ、と話していたのが印象的でした。

がん会議とは関係ありませんが、ホテルのロビーに、こんな蝋人形が・・・。
ハリウッドにあるマダムタッソー蝋人形館の宣伝用ということで、等身大ベッカムの蝋人形!


to be continued・・・