2014年2月23日日曜日

いざ、つくば。モアークさんの薬菜園へ…

2月12日水曜日。
前日、能蔵院で火渡りイベントのお手伝いを済ませた私達は、運が開けたのでしょうか…、この日は快晴!

というわけで、いざ、つくばへ。
前の週に、目黒にある店舗を訪ねた無農薬野菜のお店「モアーク」さんの、自社農場へ向かいました。
私達が住む、南房総の千倉は、雪がちらついても積もらないのですが、 高速道路・館山道、房総半島の末端にある富浦ICを入ってゆくと、もう、高速道路の路肩には雪の名残。
同じ房総半島でも、こうも違うものか、と思います。

途中、休憩で降りた市原SAも、こんな風に雪が残っていました。
(帰りにもっと降るとは思っておらず、こんな写真も、行きはルンルン気分で撮っていたのです…。)
長靴で、足元あたたかだったのは幸いでした。

成田ICまで2時間、楽しいドライブ。
高速を降り、さらに1時間ほどで…、つくばに到着~。

モアークさんの事務所に入れていただき、念願かなって、モアークグループ代表の西村松夫さんに、この日初めてお会いすることができました。

私たちが食べるものは自然であるべき。
自然なものが本物の食べもの!

お話をお聞きしていて、西村さんの信念は、とにかくそこに行き着くのだということがよくわかりました。

そして、その自然な食べものを生むのが土壌であり、土壌を作る草が大事!

この、草、については、また少し後に…。




モアークさんのスタッフのお知り合いのなかに、がんをゲルソン療法で克服されているかたがいらっしゃる、ということで、そんなお話も聞かせていただきました。

私たちがワークショップでお伝えしている「ゲルソン療法のフルセラピー」と、その内容は違っていたのですが…、まぁどちらかというと、もっと豪快で贅沢とも言えるかもしれません。モアーク流に知恵と技をしぼり、生産者として実現させた食事&栄養による養生法でした。

たとえば、そのかたがなさったのは、次のような感じということで教えていただきました。

1、モアーク農園の無農薬ニンジンを1時間ごとにジュースに搾り、毎日10‐13回飲む。

2、モアークの無農薬野菜16種類を乾燥粉末にした商品「ベジパウダー」を毎日6‐7袋分、少量の水に溶いて摂取。

3、モアークのパラオ農園で育っている自生のノニを搾ったジュース、1ℓを3‐4日で飲む。

4、有機栽培の野菜&果物&穀物を摂る。玄米菜食で、肉は食べない。水耕栽培も無し。

5、人工添加物は使わず、自然な栄養にこだわる。

6、塩は国産の天然塩を使用。

7、調味料は、自社製品のノニドレッシングを使用。油はオリーブオイルのみ使用。

(この、ノニドレッシング開発のきっかけについて、西村さんがお話してくださった内容が印象的でした。
「せっかく無農薬で良い野菜を作っても、そこに、添加物たっぷりのドレッシングがかかることを想像したら、自分のところで良いドレッシングを作らなければならないと思った」、のだそうです。なるほど…。)

8、お風呂に毎日数回入り、身体を温める。

9、家族で良く笑い、ストレスをかけない。

塩やオリーブオイルを使い、コーヒー浣腸が無いことなど、モアーク流であることがわかります。
それにしても、ゲルソン療法のフルセラピーも忙しい治療ですが、モアーク流もなかなか忙しいことがわかります。やはり、ご家族の協力が必須であることに違いはなさそうです。

このかたが、ご回復され、お元気になっていかれた経験を共有し、西村さんが思われたのは、「1時間ごとに搾るジュースが本当に大変だ」、ということだったといいます。
その経験から、現在、自宅で毎時間ジュースを搾ることがどうしても不可能なかたのために、独自の加工商品を開発中ということでした。

さて、農場へ。
事務所内には、農場見学のための来客予定を書き込むホワイトボードがあったのですが、いろいろな企業のかた、たとえば都内のホテルのかたなどもいらしているようです…。ホテルのレストランで、無農薬サラダをメニューに入れるのかしら? いろいろ想像してしまいます。
ホワイトボードには、「2月12日、氏家京子様」と書いていただいてました。有難うございます。

モアークさんの畑は、露地栽培、ハウス栽培と 、あっちにも、こっちにも、とにかく広~い!
そのなかでも、きっと、一番のお宝なのではないだろうかと思ったのが、草で作った堆肥です。

←まだ、草っぽさが残る、発酵途中のもの。
木の葉は入れず、とにかく、草。
土から近い、草が大事!

そして、草の放射線量に、今はとにかく気を使っているとのこと。もちろん、線量の高い草は使わないようにしています。
茨城県内でも、線量の高いところ、安全なところが、バラバラに点在しているということです。
(これは、別の会社のかた、日本酒の蔵をお持ちのかたからも昨年お聞きしました。)

草が発酵し始めると、なんと90℃もの高温になるそうで。
草に住み着いている微生物たちの活動によるものなのでしょう。

←こちらは、かなり土になってきたもの。草を積み上げて、ときどき混ぜて、を繰り返して1年くらい経過したもの。

「触ってみてください、いい匂い、森の中に入った時の匂いがするでしょう」と言われ、思い出しました。
私が東京から南房総に引っ越してきた10年以上前のこと、山の中で増えすぎた杉を切り倒してツリーハウスを作る、というのをやっているかたがいて、作業員を募集していたので、しばらく通って作業を手伝わせていただいたことがありました。

このおかげでナタやチェーンソー、インパクト・ドライバーなども使えるようになり、小柄な私でも、大木を切り倒せるようになったわけですが…、そのときにいつも嗅いでいた、森の匂い。


西村さんの土からは、あのときと同じ、たしかに「森の匂い」がしていました。

さわやかで、きれいな匂い。
動物堆肥とは、大きな違いです。

一緒に見学させていただいた夫殿も、草堆肥には興味津々で、終始、楽しそうでした。
「今、いちばん知りたかったこと」だったそうで、「すごいタイミング」と喜んでいました。

←その草から生まれた土から、さらに生まれるのが、たとえばこちら。

ハウス内は、美しい葉を持つベビーリーフがズラリ。

ハウスにしているのは、温度を保つためというよりは、雨水などで葉が汚れないようにするためだそうです。ですので、暖房設備があるわけではありません。
この時期、このように青々とした葉が育つことは、近隣の他の農家さんから見ると驚きなのだそうです。
その滋養たっぷりのベビーリーフを選別し、梱包していらっしゃる皆さん。

見学者の私たちがお仕事場に入っていくと、たくさんの方たちが、皆さん、笑顔で、「こんにちはっ!」って。
野菜を触っていると私も楽しくなるのですが、ここでお仕事している皆さんも、そうなのかな~と思いました。
少し離れた場所にあるにんじんを露地栽培している畑にも連れて行っていただきました。

雪が残っております。
掘って、お土産にどうぞ!
というので、遠慮なく。
 いつまでも掘っていたかったのですが、お行儀良く、このくらいで…。

この掘りたては、本当にジューシーで、果物のように美味しかったです。持ち帰ったものは、幸運にも次の訪問先にあったノーウォークジューサーで、ジュースにしていただきました。
新鮮なニンジンの搾りたて、最高でした。


モアークさんでは、野菜を「薬菜(やくさい)」と呼んでいるのですが、西村さんのお話をずっと聞かせていただき、この呼び名には堆肥と土を生み出す「草」への敬意が込められていることがわかりました。
「草を楽しむ→薬」。
そして「野菜」。
だから、「薬菜(やくさい)」だったのです。
 
ゲルソン・ライフでは、モアークグループさんのご協力をいただき、今年の春から、東京の目黒区鷹番にある「モアーク目黒ガーデン」にて、ゲルソン療法のワークショップや講座などを開催させていただくことになりました。
 
(※これについては、都内でゲルソン療法を学ぶことができる、ということで、ご期待をいただいているようです。すでに、講座スタートの日程など、お問い合わせが来ています。皆さん、ご関心を持っていただき、有難うございます。日程については、今週から詳細な打ち合わせが始まります。決定いたしましたら、こちらのブログやホームページフェイスブックなどでご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。)
 
西村代表と一緒に、この日の農場見学にお付き合いいただいた営業部長の高橋さん曰く、「今後のモアークのテーマは、生産者として食事療法に最適な野菜、食材を提案すること」。
 
ゲルソン療法は、まさしくそういう食材が無ければ成立しない治療法です。
今までの10年間は、とにかく治療法を学ぶことだけに集中してきた年月でしたが、これからは、生産者さんたちから食べもの、そのものについても学ばせていただきたいと思っています。
 
本当に嬉しい、わくわくする出会いでした!
西村さん、モアークでお会いした皆さん、これからもどうぞよろしくお願いいたします!