2011年12月31日土曜日

『日本の大転換』

今月21日の銀座での講演会にお越し下さった皆様、お忙しい時節に足をお運び下さりましてまことに有り難うございました。
御礼が遅くなってしまいましたが、‘銀座アインソフ・アカデミー’では、新年からも健康や自然療法に関する講座をご用意していきたいと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

さて、今年も残すところあとわずかとなりました。
29日には、私たちの年末恒例行事、‘きみさんち’でのもちつき大会。今回は、ちびっこの皆さんでとっても賑やかな一日になりました。
「9」が付く日は「苦」を連想させ、縁起が良くないので餅はつかないという慣習もあるようですが、きみさんちでは‘ふ・く・もち’だからと、毎年29日にもちつきをします。
大家族のきみさん一家全員が集まりやすい日、ということもあるようなのですが。

大人たちがペッタンペッタンつきはじめると、ちびっこ軍団もやる気満々で周りに集まってきます。一通り作業が終われば、別な遊びに興じ、またペッタンが聞こえてくるや否や、わ~っと集まってくる、のくりかえしを10回以上!
きれいな、つるつる、ぴかぴかのおもちが、今年もたくさんつきあがりました! この行事が終わると、今年も終わりだな~という気分になってきます。
今年は、本当に特別な年になりました。
去年までと、今年以降は、まったく違う時代に分かたれた、そんな気持ちでいます。
それで、過日の講演タイトルも「after 3.11.」とすることになりました。

じつはこの気持ち、なかなか整理するこができずに何ヶ月も過ごしてきたのですが、整理方法の好例というものを、今月になってようやく一つだけ知ることができました。

この好例は、中沢新一さんの著作『日本の大転換』に示されています。
夫殿が‘参考になると思うよ’と貸してくれた本でした。
中沢新一さんの本を読むのは、ちょっと久しぶり。

私がこの書籍の内容を、
‘始まりつつあるまったく違う時代を整理して理解するための好例’
と思った理由は、これからの地球、自然、エネルギー、経済、思想それぞれについて、端から端までひとつながりのイメージのなかで理解できるよう、科学的な根拠や地球が経験してきた歴史とともに示してくれたからです。

‘この世界になら、参加したいです!’
それが私の感想です。

ほかの方によっても、すでに、こうした例示や試論は多数なされているのかもしれませんが、私にとっては最初に出会った良い例示であり、希望になりました。

これから私たちが健康や医療をどのような方向に期待してゆくことが自然なのか、無理がないのか、私なりに考えを前へ、after 3.11.へと、進めやすくなりました。
今年のうちに、この本に出会えて良かった。
お正月休みの間に、もう一度読み直してみようと思っています。

皆様にとって、新年が、向かう先に希望の見える年となりますように。
本年も大変お世話になりました。

有り難うございました。
氏家京子

2011年12月24日土曜日

Happy Holidays !!!

大好きなクリスマスソングのひとつ、クリス・レアの"Driving Home for Christmas"。




Happy holidays from Charlotte and the rest of the gang here at the Gerson Institute! Hope everyone has a lovely weekend full of rest, love and green juice. So, what's on the menu for your Gerson holiday feast?

シャルロッテ・ゲルソンさんと、ゲルソン・インスティテュートのスタッフたちから、クリスマス休暇に向けてのメッセージが素敵な写真とともに届いています。

‘皆様が、じゅうぶんな休息、たくさんの愛、たっぷりのグリーンジュースとともに、素敵な週末を過ごされますように’。

写真には立派なツリーが!
先週、シカゴのハイウェイを車で走っていたとき、屋根に本物の木を乗せて運んでいる車を何台か目撃しました。
持ち帰ったツリーは、家族や友人たちとともに飾り付けを楽しむのでしょうね。

Have a great and peaceful weekend!!!
多くの人たちにとって平和な一夜でありますように。

2011年12月21日水曜日

月の朝

小学生のころ、クラスメートたちが読んでいた人気少女漫画に、『月の夜 星の朝』というのがありましたっけ。
ここのところ、和田浦は、‘星の夜 月の朝’。
(本日午前6時30分頃の和田浦)



















この季節は、水平線に厚い雲があることが多く、日の出の時間が過ぎてもなかなか光が出てこないのがちょっと寂しいのです。
元日の初日の出はどうなるかな…。









今夜は、銀座で今年最後の講演会です。
毎年、お正月休み中でも患者さんからのゲルソン療法に関するお問い合せは止むことがありません。
いや、むしろ、世の中がお休みモードに入ったときこそ、ほっと安心して、自分自身のからだとじっくり向き合うことができるのかもしれません。
そんなお正月休みを過ごされる前に、ちょっとしたご参考になればと思い、敢えてこの時節にお話しをさせていただくことにしました。

夫殿からは、銀座に行くついでにと、宝くじを頼まれております。
混んでるだろうなぁ~。
1番窓口、ダメだったらごめん!

2011年12月15日木曜日

"The Way"

合計13時間のフライトに加えて、飛行機の出発が予定より2時間ほど遅れたため、シカゴ郊外のモーテルをチェックアウトしてから南房総の自宅に戻るまで、ちょうど24時間、つまりまる1日を移動に使い、帰ってきました。

シカゴからの帰国便は、一旦北上してカナダ、アラスカ上空を通過し、北から南に日本列島を下りてくるので、かなり長い間陸地が見えていました。
窓の外に広がる景色は興味深く、そして素晴らしく、ずっと眺めていました。
宇宙空間に浮かぶ月も美しかった。


機内では、3本の映画、1本のテレビ番組を観ていました。
テレビはディスカバリーチャンネルのダークマターダークエネルギーを特集したプログラム。まさに宇宙旅行中の私にはピッタリの内容。

2本目の映画だった”The Way”は、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへ続く巡礼路を舞台にしたストーリー。何より、景色が素晴らしく、時間に構わずボーッと眺めているのには最高の映画でした。日本での公開はまだ未定のようです。
いつかこの巡礼路を歩いてみたいなぁ、と思わせるシーンばかり。
そのためには身体を鍛えておかなければ!


映画の始まりの頃に死んでしまう青年の台詞が、記憶に残っています。
「人生は、選ぶものじゃない、生きるんだ」。

日本語吹き替えだったので、英語では何と言っていたのだろうかと気になるところですが。

‘人生は選べる!’、‘何よりも大事なのは選択だ!’、という呼びかけよりも、なぜだか惹かれます。

選んでいるようで、初めから計画されていたような…。
行き当たりばったりのようで、じつは選択してきたような…。
私自身の39年9ヶ月はそのような感じです。

今回私が学んだクラスの先生の一人、スティーブ。
ある日がんと診断され、驚き、どうしてがんになったのかを自分で調べ、そして治してしまった人。
彼との出会いも、蓋を開けてみると偶然とは思えないことばかりでした…。

2011年12月9日金曜日

‘治療食’と‘健康食’

シカゴでの勉強の日々が続いています。

新しい世界を知ることは、とても楽しく、毎日ワクワクしながら過ごしています。
‘知りた~い!’という気持ちは、なんだか恋心に似ているようです。

さてさて、この7年間、ゲルソン療法を皆さんにお伝えしてきたなかで、

「ゲルソン療法でがんが治った後は、どんな食事をすれば良いですか?」
「がんではない人にとっても、ゲルソン療法がいちばん良い食事ですか?」

というご質問をよくいただいてきました。
2~3年の治療生活が終了した後も、ゲルソン・スタイルの食生活が気に入って、そのまま続けていて、とてもお元気、という元がん患者さんはもちろんいます。
でも、それ以外の食事がまったくダメなのかというと、そういうわけではありません。

とはいえ、
「では、どんな食事が?」
と聞かれると、それに答えるのはとても難しいことでした。

「がんの治療食を知っているなら、健康食はもっと簡単なのでは?」

いえいえ、私はそうは思わないのです。
がんのための‘治療食’ではなく、健康な人にとっての‘健康食’。
それは、実際のところ、人の数だけ存在するのだろうと思います。

その人の食の好み、つまり好き嫌いによって、健康食のバリエーションは人の数だけ存在する、という意味ではありません。
一人一人、体内の化学反応には違いがある、というクールな視点から考えたときにそう思わざるを得ない、ということです。

2008年に翻訳させていただいた、『タイプ別 メタボリック食事法』には、次のように書かれています。

「私たちは、食と栄養の産業界が広めてきた『健康食』の間違い情報に導かれてきた。
万人にあてはまる健康食というものは存在しないのだ。
どんな食べ物でも、健康的だとか不健康だと決まっているわけではない。
大事なのは、ある食品や食事法が、どれだけその人の遺伝的な代謝プロセスにあっているかだ。」

がんには、すべてのがんに共通する、独特な代謝プロセスというものがあります。
ですから、がんの‘治療食’であるゲルソン療法は、その独特な代謝を修正するという目的一つに的を絞ってデザインされています。私が、ブレることなく、‘治療食’をお伝えできているのには、こういう背景があるのです。

では、健康な人たちの、それぞれの個性的な代謝に合わせた‘健康食’とは?
その代謝の個性を分析する方法は?

じつはそれを知りたくて、今回、シカゴまでやって来ました。
来て良かったことは、学ばなくてはいけないことが何なのかがはっきりしたこと。
それから、ゲルソン療法について、より深く理解するためのヒントも見つかったことです。

さて、今夜も予習と復習をしなければなりません。
残りの授業も頑張りま~す!

International Museum of Surgical Scienceにて、ヒポクラテスと記念撮影!
Dec.8, 8:40p.m. in Chicago

2011年12月8日木曜日

『ハミングバード』ご購読者の皆様へ

ゲルソン療法の専門通信、『ハミングバード』をご購読くださっている読者の皆様、こんにちは。
大変長らくご無沙汰しておりましたが、『ハミングバード 第63号』、そろそろお手元に届いていることと思います。
今号では、今年8月から新事務所に引っ越しをした、ゲルソン・インスティテュートの様子を中心に、ご報告をさせていただきました。
内容はお楽しみいただけましたでしょうか?

通信内にも書きましたが、今年はほとんど休刊状態で、まったく発行のペースを取り戻すことができぬまま12月を迎えてしまいました。
毎月の最新情報を楽しみにお待ち下さっていた皆様には、改めてお詫びを申し上げます。
ごめんなさい。

私は現在、勉強と取材のためシカゴに滞在中ですが、帰国後には今年最後の通信を皆様にお届けしたいと考えております。
引き続き、お付き合い下されば幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、ここで、大変重大なお知らせがございます。
と申しますのも、『ハミングバード 63号』をお届けできていない読者の方が3名いらっしゃるのです。

すでに、郵便にて『ハミングバード 63号』をお受け取りになっている皆様は、問題ございません。
また、Eメールにて、ご住所確認をさせていただきました皆様も、問題ございません。

それ以外の3名の方につきまして、そのご住所などの情報を、私の不手際により失ってしまったのです。
ご購読者の皆様の住所情報などを他人に盗まれた、といったことは一切ございませんので、その点はどうかご心配なさらないでください。
しかしながら、私の方で保持しておりました記録を、誤って消去してしまいました。
そのため、ご購読者の皆様のうち、最新号の『ハミングバード』をお届けできていない方が3名いらっしゃいます。

もし、このメッセージをご覧になっている方のなかで、『ハミングバード』をご購読なさっているのに、まだ63号がお手元に届いていない、または、メールで住所確認の連絡が来ていない、という方がいらっしゃいましたら、是非メールにてご一報くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

メールアドレスは、以下の通りです。
forhealthfreedom@aol.com

いろいろとご面倒をお掛けしておりますが、以上の件につきましては、皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

次号64号は、いつものように、ご購読者の全ての皆様に通信をお届けしたいと思っております。

『ハミングバード』発行責任者、氏家京子

2011年12月4日日曜日

Christmas in Chicago

勉強したいことがあり、突然ですが、夫と二人で2度目のシカゴへ来ています。
現地時間12月2日の夕方にオヘア国際空港に着き、本日、シカゴ滞在2日目。
当然のことながら、時差ボケがひどくて、本当は外出などせずに寝ていたかったのですが、今のうちになんとか克服しなければ、月曜日の早朝から始まるクラスでも居眠りしそう…。
というわけで、体内時計を矯正するためにダウンタウンへ出かけて来ました。

街は、クリスマス一色!
市庁舎などがあるループエリアの一角に、毎年恒例という‘クリストキンドルマーケット’が開かれていたので行ってみました。

ヨーロッパの手作りクリスマスオーナメントを売る屋台が軒を連ねていて、ときどき、プレッツェルやドイツビールを売る出店なんかもあり、人がいっぱいで、なかなか前に進めません。
こんなに盛り上がっているクリスマスのイベントに入り込んだのは初めてでした。
ちょっと、浅草の酉の市を思い出してしまいました。
札幌の雪祭りも、雰囲気が似ているかもしれません。





 馬車が走っていて、大理石や煉瓦造りのビルディングが多いシカゴの街にとても似合っていました。

東京とシカゴの時差は、15時間。
シカゴのほうが15時間遅れて、東京時間を追いかけている感じ。
さて、今夜はこの15時間を乗り越えて、私はうまく眠れるでしょうか…。

そうそう、症状が辛い風邪が流行っています。
皆様どうぞお気をつけてお過ごしください。

飛行機内での風邪対策におすすめなのは、竹布マスクです。
カラーが豊富で、ファッションに合わせられます。
竹特有の抗菌効果があるので清潔で、長時間着けていても疲れません。
こちらへのフライト時間は12時間。
着けたままでも快適でした!

Dec.3, 7:07p.m. in Chicago

2011年12月1日木曜日

記者クラブ会報から

更新していなかった2日間、南房総と東京の往復を2回繰り返しておりました。

火曜日は、内幸町にある日本記者クラブへ。
以前勤めていた雑誌の編集部があった界隈なので、なつかしい場所です。
「あった、あった!」と、むかし通っていた飲食店を発見するたびに、当時のことがよみがえります。

日比谷公園の向かい側、帝国ホテルのイルミネーションは、控えめな感じで雰囲気が良かったです。


その頃から今に至るまで、お付き合いが続いている‘生きた野菜ジュースの店’にも、ちょっとだけ立ち寄りました。

注文後に目の前で搾ってくれる新鮮な各種野菜ジュースが人気で、今ではオフィスワーカーだけでなく、近くの虎ノ門病院に通院されている患者さんたちからも頼られる存在です。
こだわりのランチもありますので、お近くにオフィスがある方は是非ご利用下さい。

記者クラブへは、医学ジャーナリスト協会の勉強会で行ったのですが、勉強会が始まるまで、置いてあった『日本記者クラブ会報11月号』を眺めていました。

ドキュメンタリー映画『チェルノブイリハート』の紹介文が、胸に突き刺さってきました。

「問題は、ゴメリが原発から遠く、放射線量がそれほど高くないことだ。そのため人々は住み続け、低い放射線を継続して浴びた。その結果がこの映画にある。
福島の5年後、10年後はどうなるのだろうか。重荷を負うのは子どもたちなのだ。」
朝日新聞出身 松本仁一

ゴメリ市は、チェルノブイリから80kmの距離にあるベラルーシのまちで、健常な子どもの出産率は15~20%になっているのだそうです。

思い出したのは、ドキュメンタリー映画監督のスティーブ・クローシェルさんから聞いた話でした。
クローシェル監督は、私と同じく‘美しい真実’を発掘するのが好きな人。
ふだんは、アラスカで親とはぐれた野生動物たちの世話をしながら暮しています。
いつか訪ねてみたい、今後の旅の目的地の一つです。

クローシェル監督によれば、長期間、戦闘が繰り広げられた地域では、奇形児の出産率が高くなっているというのです。
劣化ウラン弾などが使われれば本当にひどいことになります。
その様子は、クローシェル監督の作品『Bearutiful Truth』(英語のみ、Beautiful Truth [DVD] [Import])に、ほんの一瞬だけ、映像として組み込まれており、私は問題のシーンを見たときに、大変驚きました。ショックでした。

出産直後のお母さんたちは、産科医に、「男の子ですか、女の子ですか?」という質問ではなく、「正常ですか?」と聞くようになっているのです。

『チェルノブイリハート』、まだ見ていない作品なので、いずれどこかで。

2011年11月28日月曜日

アラフォー・カメラ女子

最近、うちの近くでよく見かけるカワイコちゃん。
今朝は、その撮影にようやく成功!
 



やっぱり、ジョウビタキだったみたい。

2011年11月26日土曜日

『山わたる風』

ものすごく心細い気持ちでいたとき。
何ということなく札幌のパタゴニアに入ったら、店内に置いてあった写真集。

さみしくて、心細くて、でもそんなときでも、一時、‘ひとは微笑むことができるのだ’、と教えてくれたのが、伊藤健次さんが撮った、野生動物たちの写真でした。

「たとえば谷間から差し込む朝日
空を映す草の葉のしずく
エゾシカがスッと起きあがり
遠くからクマゲラが樹を打つ音が響き始める
誰に見せるわけでもなく
夜が明け、森が目覚めてゆく」

山わたる風』 伊藤健次

誰かに見せようとして着飾ったのとは違う、自然の潔い美しさを見ながら、私は北海道で育ったんだよなぁ、と思い出させてもらいました。

なぁんにも考えられなくて、頭がまっしろだった私は、ようやく小さな目的を一つ見つけることができた嬉しさから、その足で、パタゴニアの店員さんに教えてもらった札幌駅近くの紀伊國屋書店へ行き、この写真集を買いました。
宝物の一冊。

今は、北海道の自然が、心配。

2011年11月25日金曜日

‘美しい真実’の発掘

作家の柳美里さんが、以前、インタヴュー記事のなかで話していた言葉に、つぎのようなものがありました。
‘今、みんな、誰かを謝らせたいんですね’ (2008年3月22日の雑誌『婦人公論』)
ちょっと立ち読みしただけの記事にあった、グサリとくる一文。
身に覚えあり、でした。

だから3年以上経った今でも、忘れずにいます。
周囲に‘謝れ’ビーム!を出している人が現れたときにも、やはりこの記事のことを思い出しています。
今日も、突然、思い出しちゃった。

このとき、どうしてこの雑誌を手に取ったのか、と考えていたら、同じ号に柳原和子さんのインタヴューが掲載されていたことがわかり、また別なことを思い出してしまいました。
こちらが今日の本題。

柳原和子さんは自らのがん診断を機に、医療サイドからではなく、一患者の立場から、がんとどう向き合うべきかを考え、探求し、そのプロセスを2000年に『がん患者学』としてまとめたノンフィクション作家。
この作品は話題作となり、シリーズ化されて、『がん患者学Ⅲ』まで続きました。
当時の私も、柳原さんが発する言葉、書く一字一句がとても気になっていた一人です。

その後、いろいろな経緯があり、2002年6月に『がん生還者たち』を出版された柳原さん。
私は、ちょうど、フリーランスのジャーナリストとして歩んでいくのを決めた頃で、その後出版する予定が決まっていた、『【決定版】ゲルソンがん食事療法』の翻訳作業中だったと思います。

『がん生還者たち』の中には、メキシコのティファナで柳原さんが自ら‘ゲルソン療法’を取材し、執筆した章が入っていたので、早速購入して読みました。
実際、柳原さんがこの本でレポートしたものはゲルソン療法ではありませんでしたが、ご本人はそのことにまったく気がついていない様子で、別の病院で見たこと聞いたことを誠実な気持ちで書いていらっしゃいました。
それで、柳原さんのその後の取材やインタヴュー記事も、自然と気になっていたのです。

本当の現場を知る者としては複雑な心境でしたが、私の方にも、当時は、ゲルソン療法を語るだけの知識と経験がありませんでした。

いろいろな誤解や間違いというのは、歴史の中で積み重なっているものだと思います。
人によって真実というものは違っているのかもしれない、と思うこともあります。

それにしても、その後、ゲルソン療法と深く関わることになった私は、この療法の上に積み重なっている遺物の多さに驚ろいています。
なかには、意図的に積み上げられた虚構もあります。
その方が、多いのかもしれません。

Dr.マックス・ゲルソンのお孫さん、ハワード・ストラウスさんは、そのような虚構は放っておけばいいんだよ、「神様のご意志のままに」、と話していました。

現在、夫が、ハワードさんが書いたDr.マックス・ゲルソンの伝記を翻訳していますが、それを読むと納得します。
ゲルソン医師は、その生涯のうちに、‘もうこれで最後!’というような命の危機に何度も直面しているのですが、そのたびに奇跡的に救われているのです。

ナチス政権によるユダヤ人の強制収容政策が始まった日の早朝、ユダヤ系ドイツ人の彼は、ドイツからオーストリアへ向かう夜行列車内にいました。
オーストリアに入る国境で止まった列車。
乗客一人一人に浴びせられる質問。
ユダヤ系の血筋を持つ人たちは、訳もわからぬうちに、列車の外に連行されていきました。
ゲルソン医師が助かったのは、たまたまその時の質問の内容が、「おまえはユダヤ人か?」というものではなく、「おまえは何をしにオーストリアへ行くのだ?」、だったから。

日本にゲルソン療法を紹介した、今は亡き、今村光一先生が翻訳した『マックス・ゲルソン ガン食事療法全書』は、ゲルソン医師自身が書き残した著作ですが、彼が英語で最初に書き上げた原稿は、ゲルソン療法が世に知られることを恐れた人々によって盗まれ、闇に葬られました。
パソコンなど無い時代、ゲルソン医師はすべてをもう一度書き直しました。
それもまた盗まれたのです。
そして、その後に書き上げた原稿がようやく出版され、今、私たちは日本語でも自由に読むことができています。

そのような奇跡の連続があったから、今、私たちは‘ゲルソン’の名とともに、彼の治療法を知ることができています。この一冊で命が救われた、という人は、世界中にたくさんいらっしゃることでしょう。

私の仕事は、積み重なった誤解や間違いを一つずつ時間をかけて取り除き、真実の底に少しずつ降りて行くような発掘作業、なのかなぁと思っています。
掘り出して見えた真実を、その美しさに感動できる方たちとともに分かち合いたい。
この作業も、もうすぐ8年目に入ろうとしています。

自分の足もとや、思いがけない場所に、驚くほど‘美しい真実’が眠っているかもしれないと思うと、発掘作業はわくわくします。

Beautiful Truth !

    

2011年11月24日木曜日

ベジ・ターキー!

本日11月24日、アメリカでは‘サンクスギビングデイ’の祝日。
ゲルソン・インスティテュートから、楽しい写真とメッセージが届きました。

多くのご家庭では、七面鳥をディナーにいただく習慣があるようですが、ゲルソン療法はベジタリアンなので...。

Now THAT'S our kind of turkey!


Happy holidays from all of us at the Gerson Institute!

古代文字

昨日は、シラハマアパートメントでフリーマーケットの催し‘闇市’があるというので、夫と出かけてきました。
何人かの友人たちと会い、立ち話などを楽しみながらウロウロしていると、‘古代文字で名前をお書きします’、のコーナーを発見。
書いて下さるのは、グラフィックデザイナーでイラストレーターとしてもご活躍されている、サノアツコさん

おもしろそう!
と飛びつく私。

一方、ちょっと引き気味の夫。

ところが結果的には、夫が色紙3枚分も書いてもらうほどハマッてしまい、私は自分の名前を1枚書いてもらうことになりました。

サノアツコさんによると、‘氏家京子’の四文字は、すべて象形文字で、そういう名前はめずらしいのだそう。つまり、すべて‘絵文字’なのですって。


この名前は、‘儀式で使用する小刀’、‘床下に犬の骨を納めてから建てた昔の家’、‘立派な門’、‘子ども’、をそれぞれ表現する四つの絵文字から成っているとのことでした。
自分の名前が絵でできているとは!

そういえば、‘古代文字’って何かの歌詞にあったよなぁ~と思い、検索してみたところ、北原ミレイの「石狩挽歌」でした…。

♪ かわらぬものは 古代文字ぃ~  わたしゃ涙で 娘ざかりの夢を見るぅ~ ♪

久しぶりに、歌いたくなってきました。

2011年11月22日火曜日

シラハマアパートメントの「闇市」

明日は、祝日。
シラハマアパートメント、久しぶりに行ってみようかしらん?

『怒らないこと』

病気がすぐ治る人、いつまでも治らない人

怒りを甘く見てはいけません。怒りが生まれた瞬間に、からだには猛毒が入ってしまうのです。たとえわずかでも、怒るのはからだに良くないとしっかり覚えておいてください。怒りはまず自分を燃やしてしまいます。本当に自分のからだが病気になってしまうのです。
(78ページ)

この‘猛毒’が、気になっています。
 
本書によると、
 
‘怨み’
‘他人軽視’
‘張り合うこと’
‘嫉妬’
‘ケチ’
‘反抗的’
‘後悔’
‘激怒’
 
は、すべて‘怒り’の一種だというのです。
だから...とっても気になっているのです。

2011年11月21日月曜日

after 3.11.

「氏家さん、震災以降、何か気をつけていらっしゃることはありますか?」
昨日、ヨガ・クラスが始まる前に、先生からそんな問いかけがありました。
私が、健康問題や自然療法に関係する仕事に就いているのをご存じなので、気になられたのかもしれません。

じつは、「これで大丈夫、心配ない!」という対策のようなものは、打ち出せぬままに毎日を過ごしています。
ただ、この場所から引っ越すことを選ばなかった私たちが、震災に続いて発生した原発事故の影響を考えて強化したことは、今のところ3つほどあります。

1.水を選んで使うこと。
2.ミネラル・リッチな飲食をすること。
3.抗酸化サプリメントを常用すること。

実際は、どれも震災前から配慮していたことですが、今までのやり方は‘予行演習’レベルでした。
どこか、リラックスしたなかで、楽しみながらやっていたところがあります。
それが、3.11.以降は、目的意識がはっきりしてきました。
その目的は、‘生き延びること-survival’です。

がんの治療後、再発もなく、元気を取り戻して、活き活きと暮らしている方たちのことを、‘サバイバー-survivor’と呼ぶことがあります。
がん患者さんが、その後、‘サバイバー’になるには、さまざまな知恵と実践が必要です。

3.11.を境に、その知恵と実践は、もはやがん患者さんだけではなく、すべての人たちに必要なものになった、と私は思っています。

私の立場でできることは? と考えるなかで、お声をかけていただき、今年実現した仕事のひとつがミネラルの小冊子づくりでした。

原発事故が発生すると、近隣住民に真っ先に渡されるのが「安定ヨウ素剤」。
これも、ミネラルです。

9月に訪ねたアメリカ西海岸のサンディエゴでも、ゲルソン・インスティテュートのスタッフで自然療法医のDr.カイラ・スミスは、「ここにも福島からの放射性降下物が届いているので、予防目的でヨウ素を使っている」と話していました。
理事長のアニータ・ウィルソンも、日本にいる私たちのことを心配して、「知人が作っている良い抗酸化サプリメントがあるから持って行きなさい」、とお土産を手渡してくれたりしました。

では、なぜミネラルなのか?
小冊子づくりのための取材は、この疑問から始まりました。

今回の小冊子づくりに取り組むなかでは、環境汚染や農業について調べ直す良い機会もいただき、むかし苦手だった‘元素周期表’とも再会することになりました。
その‘元素周期表’は、小冊子のなかで、マンガ家さんが‘楽しい元素周期表’に生まれ変わらせてくださいました。

ご関心のある方は、是非、メールにてお問い合わせ下さい。
どこかで、どなたかのお役に立ちますように…。

2011年11月20日日曜日

スピリット

昨日は、早朝に自宅を出発。
車に顕微鏡一式を積み、夫の仕事のお手伝いで東京へ。
もう長年のお付き合いになる、ある心霊治療家の方のお宅へ伺いました。
毎回、お訪ねするのが楽しみな場所のひとつです。

‘心霊治療’という表現は、自分で書いていても、まだしっくりこない日本語です。
‘心霊’ときたら…、‘-写真’、というイメージのほうが強いかもしれません。

ただ、‘健康状態が良い’ことを望みながら人生を全うするには、目に見え、手で触れることができる‘肉体’だけではなく、肉体と互いに相関関係を持つ‘心(精神-メンタル)’の存在も無視できませんし、それに加えて‘霊(魂-スピリット)’というものも意識してみる必要がありそうだなと、こちらのお宅へお伺いするようになって、ようやく気がつくことができました。

実際、WHO(世界保健機関)でも、‘霊(spirit-スピリット)’について、過去に議論があったようです。

健康の定義について WHO憲章では、その前文の中で「健康」について、次のように定義しています。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)

この定義によって、WHOでは、医療に限定されず幅広い分野で、人々の健全で安心安全な生活を確保するための取り組みが行われているのです。 この憲章の健康定義について、1998年に新しい提案がなされたことがあるということはご存知でしょうか。

Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

静的に固定した状態ではないということを示すdynamic は、健康と疾病は別個のものではなく連続したものであるという意味付けから、また、spiritualは、人間の尊厳の確保や生活の質を考えるために必要で本質的なものだという観点から、字句を付加することが提案されたのだと言われています。

この提案は、WHO執行理事会で総会提案とすることが賛成22反対0棄権8で採択され、そのことが大きく報道されました。そのため、健康定義は改正されたと誤解している人も多いのですが、その後のWHO総会では、現行の健康定義は適切に機能しており審議の緊急性が他案件に比べて低いなどの理由で、審議入りしないまま採択も見送りとなり、そのままとなっています。

日本語では、mental も spiritual も同じく精神的と訳してしまいそうになるのは、宗教に希薄な国民性のためかも知れません。ともあれ、どう翻訳すべきかを考えてみることも、私たちが「健康とは何か」を考えるヒントのひとつになるかも知れません。 (文責 事務局 松村)


霊の部分で違和感があるときには、その違和感の出発点が3つのフェーズ(肉体・心・霊)のどれだったのかに関係なく、同時に心にも、肉体にも、違和感があるらしく、この治療家の方の隣に座っていると、いつも私の‘肉体’の苦痛がある部分を‘霊’の違和感として察知してくださり、整体治療などの肉体にはたらきかける施術を行ってくださいます。
それが、本当にからだ(肉体)に響くのです。そしてまた、自分自身の心性や霊性に思いを馳せるきっかけになっていきます。

そうなんです。
夫の手伝いと言いつつ、本当は自分のために行っているのです。
それが許されていることに、感謝しています。

大嵐の一夜が明け、今朝は千倉にあるお寺で、尊敬する先生のヨガ・クラスに参加。
ずっと見ていたいと思うような安定感のある先生の姿を横目に、思うように動かない自分の肉体と格闘すること一時間!
こんなときには、肉体とともに、心や霊も一緒にもがいている、かも?!
ヨガについては、また別のときにでも。

2011年11月18日金曜日

『貞三先生の花言葉365篇』

パッと開いたページ。
花の名は、なでしこの仲間だという‘ダイアンサス・ナッピー’。

花ことば、‘しのぶ恋ほどばれやすい’。

2011年11月17日木曜日

冬は、つとめて・・・

昨日から、庭にかわいらしい鳥が来ています。
うちの庭では初めて見る子。
野鳥図鑑を調べると、‘ジョウビタキ’というのに似ているのですが、鏡が好きらしくて、パジェロミニのドアミラーが気に入った様子。
飛び立ったかと思えば、やっぱり隣の家の窓ガラスに自分の姿を映しています。
ロマンスの相手?

どの季節でも、早朝の散歩は気分が良いものですが、空気が冷たくなってくると、その価値は倍増するような気がします。

今朝は、出かけてすぐに日の出のタイミングでした。

自転車でちょっと走って、白渚(シラスカ)海岸。


白渚海岸で、この季節に咲く白い花が大好き。
 

名も知らぬまま数年が経ち、今日初めて調べてみると、‘ユッカ蘭’、と。
なんと、テキーラやアガベシロップの原材料と同じ、リュウゼツラン科の植物だったことがわかりました。

花ことばは、‘勇壮’。

冬のサーフィンに似合う花。

2011年11月16日水曜日

全国の農業高校生が作った農作物を吉祥寺で!

食生活ジャーナリストの会からのインフォメーション。

2011年11月19日(土)10:30~16:00、翌20日(日)10:00~14:30、東急百貨店・吉祥寺店の1階北側広場にて、「第3回全国農業高等学校収穫祭」が開催されます。
北海道から長崎まで、全国から36校が参加し、農業高校生が作った農作物や加工品を高校生自らが販売するというイベントです。

お天気が良かったら、井の頭公園のお散歩と一緒に、この週末いかがでしょうか?

skype

少し前、TVニュースで、「就職時の面接は、オンラインを利用する企業が増えている」と、ニューヨークの特派員が伝えていました。

ゲルソン・インスティテュートでも、打ち合わせやゲルソンHSTの面接などでskypeを使うようになってきています。
というわけで、今朝、ゲルソン・インスティテュートのキャロルと初skype。

日本時間7:00a.m.。
サンディエゴは、2:00p.m.。

もう何度も会っているのに、テレビ電話で初めて相手の顔が見えたときは、なんだか照れてしまう感じがあります。不思議。

2011年11月15日火曜日

ゲルソンHSTアンバサダー

サンディエゴにあるゲルソン・インスティテュートから、ニュースレターの最新号が届きました。前号と今号の2号連続で、日本の、ゲルソン療法の啓蒙活動について載せていただいています。

 


前号(写真右側)では、3月11日以降の日本の様子について寄稿させていただき、それが掲載されました。
今号(写真左側)では、9月初旬にサンディエゴのゲルソン・インスティテュートを訪問した折に実施した、「ゲルソンHST(ホーム・セットアップ・トレーナー)」訓練生3名の研修について掲載されています。

「ゲルソンHST」は、かつての「ゲルソン・ケアギバー」に代わるものとして、ゲルソン・インスティテュートが新たに設けた認定資格で、ゲルソン療法を行う患者さんのお宅に出張し、その実践をサポートできる人材に対して与えられる認証名です。
「ゲルソンHST」は、間違いなくゲルソン療法の実施ができるよう、患者さんの治療環境・生活環境を整えることが仕事となります。

認定のためのプロセスは4段階ありますが、来年から、この認定プロセスの一部を日本で担うことになり、訓練生のトレーニングをどのように進めるかを学ぶため、9月にサンディエゴへ行ってきたというわけです。

あちらでは、実際に、アメリカ人訓練生3名の方々の研修を担当させていただきました。
研修が始まるまでは、「私の英語でダイジョウブカナァ・・・」と緊張していましたが、人生経験豊富な訓練生3名、ゲルソン・インスティテュートのスタッフ、同行してくれた夫の助けがあり、楽しみながらトレーニングを終えることができました。

「ゲルソンHST」の訓練を担当する私のポジションは、今後は、‘ゲルソンHSTアンバサダー’、と呼ばれます。

9月に訪問したゲルソン・インスティテュートでの様子は、今週発送の「ハミングバード」でもお伝えしていますので、ご購読者の皆様は楽しみにお待ち下さいませ。
(遅くとも、先週のうちにお届けしているはずだったのですが、内容の変更があり、発送が遅れてしまいました。ごめんなさい。)

また、「ゲルソンHST」に関するお問い合せは、メールにて受付しております。ご関心のある方は、ヘルスフリーダムのホームページをご覧の上、お気軽にお問い合せ下さい。

2011年11月14日月曜日

キューバ!

私たちの南房総ぐらしには、欠かせない人たち、場所、ものがいくつもあります。
そのひとつが、千倉にある‘サンドカフェ’
千倉の海辺に、いつまでもあって欲しい場所、です。
カフェの扉を開けると、バーカウンターの端の席に、へミングウェイが座っていそうな・・・。

マスターのブログをときどき覗き見するのですが、なんと、22日まで臨時休業!
キューバへ行っちゃった、とか。

お土産話が楽しみです。

あー、今日も朝日が気持ちいい!

2011年11月13日日曜日

ブログ「Journal K.」開設のごあいさつ

おひさまの下にいるのが気持ち良い日曜日。
こういう日は、お洗濯も楽しいものです。

これまでホームページ「ヘルスフリーダム」上で更新してきました「最新メッセージ」を、このたび、ブログへ移行することにいたしました。
ちなみに、ホームページの方は、「最新メッセージ」以外は今まで通り、です。
ホームページ、ブログ、ともに、これからもどうぞよろしくお願い致します。

今まで、「最新メッセージ」では、ゲルソン療法の情報が中心でしたが、このブログへの移行を機に、少し趣を変えてみようかな、という気分でいます。

ゲルソン療法に関係するメッセージについては、「トピック」を「ゲルソン療法」としますので、そちらをご確認のうえ、ご覧いただき、ご利用くださればと思います。