2011年12月31日土曜日

『日本の大転換』

今月21日の銀座での講演会にお越し下さった皆様、お忙しい時節に足をお運び下さりましてまことに有り難うございました。
御礼が遅くなってしまいましたが、‘銀座アインソフ・アカデミー’では、新年からも健康や自然療法に関する講座をご用意していきたいと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

さて、今年も残すところあとわずかとなりました。
29日には、私たちの年末恒例行事、‘きみさんち’でのもちつき大会。今回は、ちびっこの皆さんでとっても賑やかな一日になりました。
「9」が付く日は「苦」を連想させ、縁起が良くないので餅はつかないという慣習もあるようですが、きみさんちでは‘ふ・く・もち’だからと、毎年29日にもちつきをします。
大家族のきみさん一家全員が集まりやすい日、ということもあるようなのですが。

大人たちがペッタンペッタンつきはじめると、ちびっこ軍団もやる気満々で周りに集まってきます。一通り作業が終われば、別な遊びに興じ、またペッタンが聞こえてくるや否や、わ~っと集まってくる、のくりかえしを10回以上!
きれいな、つるつる、ぴかぴかのおもちが、今年もたくさんつきあがりました! この行事が終わると、今年も終わりだな~という気分になってきます。
今年は、本当に特別な年になりました。
去年までと、今年以降は、まったく違う時代に分かたれた、そんな気持ちでいます。
それで、過日の講演タイトルも「after 3.11.」とすることになりました。

じつはこの気持ち、なかなか整理するこができずに何ヶ月も過ごしてきたのですが、整理方法の好例というものを、今月になってようやく一つだけ知ることができました。

この好例は、中沢新一さんの著作『日本の大転換』に示されています。
夫殿が‘参考になると思うよ’と貸してくれた本でした。
中沢新一さんの本を読むのは、ちょっと久しぶり。

私がこの書籍の内容を、
‘始まりつつあるまったく違う時代を整理して理解するための好例’
と思った理由は、これからの地球、自然、エネルギー、経済、思想それぞれについて、端から端までひとつながりのイメージのなかで理解できるよう、科学的な根拠や地球が経験してきた歴史とともに示してくれたからです。

‘この世界になら、参加したいです!’
それが私の感想です。

ほかの方によっても、すでに、こうした例示や試論は多数なされているのかもしれませんが、私にとっては最初に出会った良い例示であり、希望になりました。

これから私たちが健康や医療をどのような方向に期待してゆくことが自然なのか、無理がないのか、私なりに考えを前へ、after 3.11.へと、進めやすくなりました。
今年のうちに、この本に出会えて良かった。
お正月休みの間に、もう一度読み直してみようと思っています。

皆様にとって、新年が、向かう先に希望の見える年となりますように。
本年も大変お世話になりました。

有り難うございました。
氏家京子

2011年12月24日土曜日

Happy Holidays !!!

大好きなクリスマスソングのひとつ、クリス・レアの"Driving Home for Christmas"。




Happy holidays from Charlotte and the rest of the gang here at the Gerson Institute! Hope everyone has a lovely weekend full of rest, love and green juice. So, what's on the menu for your Gerson holiday feast?

シャルロッテ・ゲルソンさんと、ゲルソン・インスティテュートのスタッフたちから、クリスマス休暇に向けてのメッセージが素敵な写真とともに届いています。

‘皆様が、じゅうぶんな休息、たくさんの愛、たっぷりのグリーンジュースとともに、素敵な週末を過ごされますように’。

写真には立派なツリーが!
先週、シカゴのハイウェイを車で走っていたとき、屋根に本物の木を乗せて運んでいる車を何台か目撃しました。
持ち帰ったツリーは、家族や友人たちとともに飾り付けを楽しむのでしょうね。

Have a great and peaceful weekend!!!
多くの人たちにとって平和な一夜でありますように。

2011年12月21日水曜日

月の朝

小学生のころ、クラスメートたちが読んでいた人気少女漫画に、『月の夜 星の朝』というのがありましたっけ。
ここのところ、和田浦は、‘星の夜 月の朝’。
(本日午前6時30分頃の和田浦)



















この季節は、水平線に厚い雲があることが多く、日の出の時間が過ぎてもなかなか光が出てこないのがちょっと寂しいのです。
元日の初日の出はどうなるかな…。









今夜は、銀座で今年最後の講演会です。
毎年、お正月休み中でも患者さんからのゲルソン療法に関するお問い合せは止むことがありません。
いや、むしろ、世の中がお休みモードに入ったときこそ、ほっと安心して、自分自身のからだとじっくり向き合うことができるのかもしれません。
そんなお正月休みを過ごされる前に、ちょっとしたご参考になればと思い、敢えてこの時節にお話しをさせていただくことにしました。

夫殿からは、銀座に行くついでにと、宝くじを頼まれております。
混んでるだろうなぁ~。
1番窓口、ダメだったらごめん!

2011年12月15日木曜日

"The Way"

合計13時間のフライトに加えて、飛行機の出発が予定より2時間ほど遅れたため、シカゴ郊外のモーテルをチェックアウトしてから南房総の自宅に戻るまで、ちょうど24時間、つまりまる1日を移動に使い、帰ってきました。

シカゴからの帰国便は、一旦北上してカナダ、アラスカ上空を通過し、北から南に日本列島を下りてくるので、かなり長い間陸地が見えていました。
窓の外に広がる景色は興味深く、そして素晴らしく、ずっと眺めていました。
宇宙空間に浮かぶ月も美しかった。


機内では、3本の映画、1本のテレビ番組を観ていました。
テレビはディスカバリーチャンネルのダークマターダークエネルギーを特集したプログラム。まさに宇宙旅行中の私にはピッタリの内容。

2本目の映画だった”The Way”は、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへ続く巡礼路を舞台にしたストーリー。何より、景色が素晴らしく、時間に構わずボーッと眺めているのには最高の映画でした。日本での公開はまだ未定のようです。
いつかこの巡礼路を歩いてみたいなぁ、と思わせるシーンばかり。
そのためには身体を鍛えておかなければ!


映画の始まりの頃に死んでしまう青年の台詞が、記憶に残っています。
「人生は、選ぶものじゃない、生きるんだ」。

日本語吹き替えだったので、英語では何と言っていたのだろうかと気になるところですが。

‘人生は選べる!’、‘何よりも大事なのは選択だ!’、という呼びかけよりも、なぜだか惹かれます。

選んでいるようで、初めから計画されていたような…。
行き当たりばったりのようで、じつは選択してきたような…。
私自身の39年9ヶ月はそのような感じです。

今回私が学んだクラスの先生の一人、スティーブ。
ある日がんと診断され、驚き、どうしてがんになったのかを自分で調べ、そして治してしまった人。
彼との出会いも、蓋を開けてみると偶然とは思えないことばかりでした…。

2011年12月9日金曜日

‘治療食’と‘健康食’

シカゴでの勉強の日々が続いています。

新しい世界を知ることは、とても楽しく、毎日ワクワクしながら過ごしています。
‘知りた~い!’という気持ちは、なんだか恋心に似ているようです。

さてさて、この7年間、ゲルソン療法を皆さんにお伝えしてきたなかで、

「ゲルソン療法でがんが治った後は、どんな食事をすれば良いですか?」
「がんではない人にとっても、ゲルソン療法がいちばん良い食事ですか?」

というご質問をよくいただいてきました。
2~3年の治療生活が終了した後も、ゲルソン・スタイルの食生活が気に入って、そのまま続けていて、とてもお元気、という元がん患者さんはもちろんいます。
でも、それ以外の食事がまったくダメなのかというと、そういうわけではありません。

とはいえ、
「では、どんな食事が?」
と聞かれると、それに答えるのはとても難しいことでした。

「がんの治療食を知っているなら、健康食はもっと簡単なのでは?」

いえいえ、私はそうは思わないのです。
がんのための‘治療食’ではなく、健康な人にとっての‘健康食’。
それは、実際のところ、人の数だけ存在するのだろうと思います。

その人の食の好み、つまり好き嫌いによって、健康食のバリエーションは人の数だけ存在する、という意味ではありません。
一人一人、体内の化学反応には違いがある、というクールな視点から考えたときにそう思わざるを得ない、ということです。

2008年に翻訳させていただいた、『タイプ別 メタボリック食事法』には、次のように書かれています。

「私たちは、食と栄養の産業界が広めてきた『健康食』の間違い情報に導かれてきた。
万人にあてはまる健康食というものは存在しないのだ。
どんな食べ物でも、健康的だとか不健康だと決まっているわけではない。
大事なのは、ある食品や食事法が、どれだけその人の遺伝的な代謝プロセスにあっているかだ。」

がんには、すべてのがんに共通する、独特な代謝プロセスというものがあります。
ですから、がんの‘治療食’であるゲルソン療法は、その独特な代謝を修正するという目的一つに的を絞ってデザインされています。私が、ブレることなく、‘治療食’をお伝えできているのには、こういう背景があるのです。

では、健康な人たちの、それぞれの個性的な代謝に合わせた‘健康食’とは?
その代謝の個性を分析する方法は?

じつはそれを知りたくて、今回、シカゴまでやって来ました。
来て良かったことは、学ばなくてはいけないことが何なのかがはっきりしたこと。
それから、ゲルソン療法について、より深く理解するためのヒントも見つかったことです。

さて、今夜も予習と復習をしなければなりません。
残りの授業も頑張りま~す!

International Museum of Surgical Scienceにて、ヒポクラテスと記念撮影!
Dec.8, 8:40p.m. in Chicago

2011年12月8日木曜日

『ハミングバード』ご購読者の皆様へ

ゲルソン療法の専門通信、『ハミングバード』をご購読くださっている読者の皆様、こんにちは。
大変長らくご無沙汰しておりましたが、『ハミングバード 第63号』、そろそろお手元に届いていることと思います。
今号では、今年8月から新事務所に引っ越しをした、ゲルソン・インスティテュートの様子を中心に、ご報告をさせていただきました。
内容はお楽しみいただけましたでしょうか?

通信内にも書きましたが、今年はほとんど休刊状態で、まったく発行のペースを取り戻すことができぬまま12月を迎えてしまいました。
毎月の最新情報を楽しみにお待ち下さっていた皆様には、改めてお詫びを申し上げます。
ごめんなさい。

私は現在、勉強と取材のためシカゴに滞在中ですが、帰国後には今年最後の通信を皆様にお届けしたいと考えております。
引き続き、お付き合い下されば幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、ここで、大変重大なお知らせがございます。
と申しますのも、『ハミングバード 63号』をお届けできていない読者の方が3名いらっしゃるのです。

すでに、郵便にて『ハミングバード 63号』をお受け取りになっている皆様は、問題ございません。
また、Eメールにて、ご住所確認をさせていただきました皆様も、問題ございません。

それ以外の3名の方につきまして、そのご住所などの情報を、私の不手際により失ってしまったのです。
ご購読者の皆様の住所情報などを他人に盗まれた、といったことは一切ございませんので、その点はどうかご心配なさらないでください。
しかしながら、私の方で保持しておりました記録を、誤って消去してしまいました。
そのため、ご購読者の皆様のうち、最新号の『ハミングバード』をお届けできていない方が3名いらっしゃいます。

もし、このメッセージをご覧になっている方のなかで、『ハミングバード』をご購読なさっているのに、まだ63号がお手元に届いていない、または、メールで住所確認の連絡が来ていない、という方がいらっしゃいましたら、是非メールにてご一報くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

メールアドレスは、以下の通りです。
forhealthfreedom@aol.com

いろいろとご面倒をお掛けしておりますが、以上の件につきましては、皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

次号64号は、いつものように、ご購読者の全ての皆様に通信をお届けしたいと思っております。

『ハミングバード』発行責任者、氏家京子

2011年12月4日日曜日

Christmas in Chicago

勉強したいことがあり、突然ですが、夫と二人で2度目のシカゴへ来ています。
現地時間12月2日の夕方にオヘア国際空港に着き、本日、シカゴ滞在2日目。
当然のことながら、時差ボケがひどくて、本当は外出などせずに寝ていたかったのですが、今のうちになんとか克服しなければ、月曜日の早朝から始まるクラスでも居眠りしそう…。
というわけで、体内時計を矯正するためにダウンタウンへ出かけて来ました。

街は、クリスマス一色!
市庁舎などがあるループエリアの一角に、毎年恒例という‘クリストキンドルマーケット’が開かれていたので行ってみました。

ヨーロッパの手作りクリスマスオーナメントを売る屋台が軒を連ねていて、ときどき、プレッツェルやドイツビールを売る出店なんかもあり、人がいっぱいで、なかなか前に進めません。
こんなに盛り上がっているクリスマスのイベントに入り込んだのは初めてでした。
ちょっと、浅草の酉の市を思い出してしまいました。
札幌の雪祭りも、雰囲気が似ているかもしれません。





 馬車が走っていて、大理石や煉瓦造りのビルディングが多いシカゴの街にとても似合っていました。

東京とシカゴの時差は、15時間。
シカゴのほうが15時間遅れて、東京時間を追いかけている感じ。
さて、今夜はこの15時間を乗り越えて、私はうまく眠れるでしょうか…。

そうそう、症状が辛い風邪が流行っています。
皆様どうぞお気をつけてお過ごしください。

飛行機内での風邪対策におすすめなのは、竹布マスクです。
カラーが豊富で、ファッションに合わせられます。
竹特有の抗菌効果があるので清潔で、長時間着けていても疲れません。
こちらへのフライト時間は12時間。
着けたままでも快適でした!

Dec.3, 7:07p.m. in Chicago

2011年12月1日木曜日

記者クラブ会報から

更新していなかった2日間、南房総と東京の往復を2回繰り返しておりました。

火曜日は、内幸町にある日本記者クラブへ。
以前勤めていた雑誌の編集部があった界隈なので、なつかしい場所です。
「あった、あった!」と、むかし通っていた飲食店を発見するたびに、当時のことがよみがえります。

日比谷公園の向かい側、帝国ホテルのイルミネーションは、控えめな感じで雰囲気が良かったです。


その頃から今に至るまで、お付き合いが続いている‘生きた野菜ジュースの店’にも、ちょっとだけ立ち寄りました。

注文後に目の前で搾ってくれる新鮮な各種野菜ジュースが人気で、今ではオフィスワーカーだけでなく、近くの虎ノ門病院に通院されている患者さんたちからも頼られる存在です。
こだわりのランチもありますので、お近くにオフィスがある方は是非ご利用下さい。

記者クラブへは、医学ジャーナリスト協会の勉強会で行ったのですが、勉強会が始まるまで、置いてあった『日本記者クラブ会報11月号』を眺めていました。

ドキュメンタリー映画『チェルノブイリハート』の紹介文が、胸に突き刺さってきました。

「問題は、ゴメリが原発から遠く、放射線量がそれほど高くないことだ。そのため人々は住み続け、低い放射線を継続して浴びた。その結果がこの映画にある。
福島の5年後、10年後はどうなるのだろうか。重荷を負うのは子どもたちなのだ。」
朝日新聞出身 松本仁一

ゴメリ市は、チェルノブイリから80kmの距離にあるベラルーシのまちで、健常な子どもの出産率は15~20%になっているのだそうです。

思い出したのは、ドキュメンタリー映画監督のスティーブ・クローシェルさんから聞いた話でした。
クローシェル監督は、私と同じく‘美しい真実’を発掘するのが好きな人。
ふだんは、アラスカで親とはぐれた野生動物たちの世話をしながら暮しています。
いつか訪ねてみたい、今後の旅の目的地の一つです。

クローシェル監督によれば、長期間、戦闘が繰り広げられた地域では、奇形児の出産率が高くなっているというのです。
劣化ウラン弾などが使われれば本当にひどいことになります。
その様子は、クローシェル監督の作品『Bearutiful Truth』(英語のみ、Beautiful Truth [DVD] [Import])に、ほんの一瞬だけ、映像として組み込まれており、私は問題のシーンを見たときに、大変驚きました。ショックでした。

出産直後のお母さんたちは、産科医に、「男の子ですか、女の子ですか?」という質問ではなく、「正常ですか?」と聞くようになっているのです。

『チェルノブイリハート』、まだ見ていない作品なので、いずれどこかで。